小児矯正・こどもの矯正

こどもの歯並び・噛み合わせの異常を放置すると、大人になってからさまざまな影響が現れます。ここではそんな歯列不正・不正咬合の悪影響について、成人期を中心に詳しく解説します。

乳歯列期や混合歯列期というのは、そもそもきれいな歯並びのこどもがいません。顎の発育途上にありますし、大きさや形の違う乳歯と永久歯が混在しており、歯並びがガタガタになっているのが当たり前です。それが思春期を迎える頃になると永久歯列も完成し、歯並びがきれいな子と乱れている子の差が開いていくのです。とくに中高生は、歯並びの見た目の良し悪しがとても気になる年代でもあり、自分や他人の口元を比較しがちです。その際、歯並び・噛み合わせの異常が残っていると、本人にとっては強い劣等感を抱く原因となり、大人になってからもコンプレックスとして残り続けることがあります。

歯並びが良くないと、磨き残しが多くなります。歯垢や歯石がたまり、虫歯・歯周病のリスクが上昇します。これらの病気は、日本人が歯を失う主な原因であり、そのリスクが上昇することは患者さまにとって極めて深刻なデメリットといえます。さらに、噛み合わせにも異常があると、特定の歯や顎関節に過剰な負担がかかり、歯の摩耗や破折、顎関節の炎症などを誘発するのです。これは大人になってからでなければわからない、不正咬合の影響といえるでしょう。

きれいな歯並びの人と乱れた歯並びの人とでは、歯科治療の難易度も大きく変わります。それは一般的な虫歯治療にもいえることで、歯並びが悪いと本来は必要のない処置が必須となったり、治療期間が長くなったりします。予後の良し悪しも歯並びの状態によって変わる点にご注意ください。

大人になってから矯正治療の重要性を実感される方は少なくありません。上述したようなデメリットを被ることで、「こどもの時に矯正しておけば良かった」と後悔されるのですが、成人してからでもやれることはたくさんあります。ただし、小児矯正にしかできないこともありますので、その点は正しく理解しておく必要があります。お子さまに将来、辛い思いをさせないためにも、小児期に適切な治療を受けておくことが推奨されます。当院までご相談いただければ、そのお手伝いができるかと思います。