小児矯正・こどもの矯正

こどもの矯正治療は、1期治療と2期治療の2つに大きく分けられます。1期治療は顎の骨の発育を正常に促すことが主な目的であり、発育が途上にあるお子さまが対象となります。2期治療は歯並びの乱れを細かく整えることが主な目的であるため、顎の骨の成長が止まる時期から始めるのが一般的です。

◎1期矯正の開始時期

1期治療は、大人の歯が生え始める5～6歳くらいに開始するのが一般的です。専門的には「混合歯列期（こんごうしれつき）」と呼ばれる時期で、小学校に上がる前くらいのお子さまが対象となります。

◎2期矯正の開始時期

2期治療は、大人の歯がすべて生えそろう12歳以降に開始するのが一般的です。永久歯列が完成し、顎の骨の発育も終わりを迎える頃にスタートすることで、歯並びの乱れを効率よく整えることができます。

早期治療が必要となるケース

こどもの歯並び・噛み合わせの状態によっては、上述した時期よりも早くに治療を開始することもあります。具体的には、こどもの受け口で早期治療を行うケースが多いです。上の顎の骨の発育が遅れ、下の顎が相対的に大きくなっている場合は、3～4歳から受け口治療を始めます。上の顎の骨は、下の顎の骨よりも発育ピークが早く訪れるため、早期に対処する必要があるのです。

早期治療のタイミングを逃すと骨格的な異常が残ったまま成長するため、2期治療や成人矯正で改善することが難しい受け口に悩まされます。ですから、2～3歳の時点で極端な受け口の症状が見受けられる場合は、早めに矯正相談を受けるようにしてください。

適切な開始時期はお子さまによって異なります

こどもの歯や顎の発育には個人差があり、矯正治療を始める適切な時期もお子さまによって大きく異なりますので、上述した年齢はあくまで目安程度にお考えください。小児矯正の診療実績豊富なクラッセ歯科・矯正歯科までご相談いただければ、お子さまお一人おひとりに最善といえる矯正の開始時期をご提案することが可能です。

◎1期矯正の治療期間

顎の骨の発育を正常に促すための1期治療は、使用する装置によって治療期間も変わります。クラッセ歯科・矯正歯科でも取り扱っている機能的顎矯正装置（プレオルソ）なら、6～12ヵ月程度で治療の成果を実感することができます。一般的な拡大床などでも1～1年半程度で治療が完了するケースが多いといえますので、それほど長い期間はかかりません。

◎2期矯正の治療期間

2期治療は、こどもの矯正治療の一環ではありますが、歯列矯正とほぼ同義です。マウスピース矯正型矯正装置やマルチブラケット装置を使って歯並びの乱れを細かく整えることが主な目的であり、治療にかかる期間も1～3年程度となっています。歯を移動した後には、後戻りを防止するための保定処置を1～3年程度行う必要があるため、合計では2～6年程度の期間を要します。

歯列矯正は、歯並びを整える「動的治療」だけで1～3年程度かかります。そのあとにまた数年におよぶ保定処置が待っていると考えると、やり遂げることができるか不安に感じる方も少なくありません。実際、保定処置を途中でやめてしまう方も一定数いらっしゃいますが、それは患者さまにとって大きなデメリットとなるため推奨できません。なぜなら、矯正治療によって動かした歯は、その位置に定着するまでにそれなりの期間を要するからです。

動的治療で理想な歯並びが手に入っても、保定処置を省いてしまえば元の歯並びに戻っていきます。数年間頑張った成果が水の泡となってしまうのです。逆に言うと、動的治療後の1～3年しっかりと保定をすれば、一生涯、美しい歯並びを維持し続けることも難しくなくなります。テレビや雑誌、インターネットなどで活躍している芸能人・タレントの美しい歯並びもまたそのような努力の積み重ねによって作られたものといえます。